きすけろぐ

翻訳者きすけの頭のなか

『とにかくうちに帰ります』津村記久子 <新潮文庫の100冊> ~わかるわかるとニヤリとしながら読み、そしてほっこり。

新潮文庫の100冊読むぞシリーズ第16弾

 

『とにかくうちに帰ります』

著者:津村記久子

発行年:2012年

 

あらすじ

“うちに帰りたい。切ないぐらいに、恋をするように、うちに帰りたい――。職場のおじさんに文房具を返してもらえない時。微妙な成績のフィギュアスケート選手を応援する時。そして、豪雨で交通手段を失った日、長い長い橋をわたって家に向かう時。それぞれの瞬間がはらむ悲哀と矜持、小さなぶつかり合いと結びつきを丹念に綴って、働き・悩み・歩き続ける人の共感を呼びさます六篇。”

出典元:新潮社

 

感じたこと

文房具を返してくれないおじさんの話も、インフルエンザなのに会社に来てる俺って頑張ってる!みたいな若者の話も、豪雨の中で同僚の新たな一面を知っていく話も、どの話もニヤリと笑ってしまう話で、面白かった。

 

大きな事件が起こるわけではないけれど、私たちの毎日のいつもの日常の中に無数に起こる非日常を引き出している感じ。

 

津村記久子作品ではかなり以前に『ポトスライムの舟』を読んだけれど、これももう一度読んでみようかな。