きすけろぐ

翻訳者きすけの頭のなか

『太陽の塔』森見登美彦 <新潮文庫の100冊> ~ふられた恋人を追いかける京大生の青春。

新潮文庫の100冊読むぞシリーズ第11弾

 

『太陽の塔』

著者:森見登美彦

発行年:2003年

  

あらすじ

“私の大学生活には華がない。特に女性とは絶望的に縁がない。三回生の時、水尾さんという恋人ができた。毎日が愉快だった。しかし水尾さんはあろうことか、この私を振ったのであった! クリスマスの嵐が吹き荒れる京の都、巨大な妄想力の他に何も持たぬ男が無闇に疾走する。失恋を経験したすべての男たちとこれから失恋する予定の人に捧ぐ、日本ファンタジーノベル大賞受賞作。”

出典元:新潮社

 

 

感じたこと

 

“「ストーカー犯罪」とは根本的に異なるもの”と言いながらふられた彼女の「研究」をする、なんとも言えない不器用な男子学生の話。

 

森見登美彦の作品は『有頂天家族』と『夜は短し恋せよ乙女』を読んだことがある。

この『太陽の塔』がデビュー作となるが、その後発表される作品につながるテイストはそのままここにあるように思える。

 

ちょっと変わっていて思い込みの激しい主人公。あまりにもその程度が強くて、少し世界に入り込みにくく感じた。

そのため、読むのも一気読みとはいかず、ゆるりゆるりと読み進めた感じ。

 

太陽の塔が題名にも作中にもでてくるけれど、確かに太陽の塔の存在感は大きいし、見れば見るほど不思議な力を持っていそうな感じがある。

2025年の大阪万博の開催も決まったし、今度はまた新たな物語が生まれるようなシンボルができていくのか楽しみ。