きすけろぐ

翻訳者きすけの頭のなか

『ギャンブラー』~暗い画面に眠たさが…

 

あらすじ

“雪深い北西部の鉱山町にやって来た賭博師マッケイブが、坑夫相手の女郎屋の建設を始める。女たちを引き連れてきたミラー夫人と共同経営することになった宿屋は好評を博するが、この地に新たな鉱脈がある見込んだ不動産業者が店の買収に現れた……。”

出典元:allcinema

 

作品情報

原題:McCabe & Mrs. Miller

監督:ロバート・アルトマン

出演:ウォーレン・ベイティ

ジュリー・クリスティ

公開:1971年

             

感じたこと

 

アルトマン作品を見るのは『M★A★S★H』に続いてふたつめなのだけれど、前回同様、良さがわからず。

 

予備知識をまったく持たずにみたら、最初の暗い場面が続いているときもその後の展開も見ている間に整理することができなかった。

 

それで何がいいたかったのかなぁ…とよくわからない感情だけが残ってしまった。

 

 

 

『陽のあたる場所』~若き日のエリザベス・テイラー、さすがの美しさ。

 

あらすじ

“貧しい家庭で育った青年ジョージ・イーストマン。出世欲の強い彼はある時、工場を経営する叔父のもとで働くことに。やがて、彼は社交界で令嬢アンジェラと出会い、惹かれ始める。また一方で、同僚のアリスとも親密になる。そして彼女はジョージの子を身籠もった。だがパーティーで再会したジョージとアンジェラは、互いに強く惹かれ合い関係を深めていく。こうして対照的にアリスの存在が煩わしくなってきたジョージは、彼女の殺害を謀るのだが…。”

出典元:allcinema

 

作品情報

原題:A Place in the Sun

監督:ジョージ・スティーヴンス

出演:モンゴメリー・クリフト

エリザベス・テイラー

シェリー・ウィンタース

公開:1951年

             

感じたこと

 

まったく予備知識なしに見たけれど、最初はくずくずな男の話としか思わなかった。

 

彼女ができて妊娠しけど、それが分かった後にお金持ちの憧れてた人とうまくいきだして、彼女と別れたいけれど納得してもらえなくて…

 

でも、見終わってしばらく考えてみると、主人公の育ってきた環境も複雑。

心の中で彼女を捨てたいと思いながらも、実際にはそれを行動にできない部分もある。

 

ただの考えの浅い若者の話というものではないなと。

 

エリザベス・テイラーは、私の中ではマイケル・ジャクソンといるときのかなり高齢で大女優感あふれてからの印象が強い。

 

この作品はまだ十代の頃で、さすがにめちゃくちゃきれいで、びっくり。

 

『信長の原理』垣根涼介 ~信長、秀吉、家康、そして光秀。

 

『信長の原理』

著者:垣根涼介

発行年:2018年

 

あらすじ

“吉法師は母の愛情に恵まれず、いつも独り外で遊んでいた。長じて信長となった彼は、破竹の勢いで織田家の勢力を広げてゆく。だが、信長には幼少期から不思議に思い、苛立っていることがあった――どんなに兵団を鍛え上げても、能力を落とす者が必ず出てくる。そんな中、蟻の行列を見かけた信長は、ある試みを行う。結果、恐れていたことが実証された。神仏などいるはずもないが、確かに“この世を支配する何事かの原理”は存在する。そして、もし蟻も人も同じだとすれば……。やがて案の定、家臣で働きが鈍る者、織田家を裏切る者までが続出し始める。天下統一を目前にして、信長は改めて気づいた。いま最も良い働きを見せる羽柴秀吉、明智光秀、丹羽長秀、柴田勝家、滝川一益。あの法則によれば、最後にはこの五人からも一人、おれを裏切る者が出るはずだ――。”

出典元:kadokawa

 

感じたこと

 

歴史小説がどうも苦手で面白かったと思った経験があまりないのだけれど、この本は一気読み。

 

この時代の出来事はもちろん知っているし、信長や秀吉、家康、光秀などのキャラクターも、歴史的な事実を踏まえて、ほぼ想像できる。

 

その上でこの作品を読んでも、話の展開にわくわくした。

 

光秀については、来年の大河の主人公なので、これまた興味深い。

 

歴史って、面白い。

日本史、また勉強しようかな。

『ザ・ファーム/法律事務所』~ジョン・グリシャムの原作との違いを味わいたくなる

あらすじ

“原作は800万部以上の大ベストセラー小説を元にしたT・クルーズ主演の法律サスペンス。全米でもトップクラスの法律学校を優秀な成績で卒業したミッチは、ある法律事務所からの内定を受け取る。数いる優秀な生徒の中からたった一人自分にだけ白羽の矢を立てたその事務所は、他とは比較にならない最高の労働条件を彼に提示してきた。二つ返事で了承した彼だったが、その事務所には知られざる裏の顔があった……。”

出典元:allcinema

 

作品情報

原題:The Firm

監督:シドニー・ポラック

出演:トム・クルーズ

ジーン・トリプルホーン

ジーン・ハックマン

エド・ハリス

ホリー・ハンター

公開:1993年

             

感じたこと

トム・クルーズって、こういう追い詰められる役、すごく似合う。

 

マフィアがここまでくいこんだ法律事務所なんてあるかなぁと設定に現実味がないように思ったけれど、全体を通して最後まで飽きることがなかったし、面白いと感じた。

 

でも「原作とは違って駄作」という意見も見られたので、逆にグリシャムの原作がどれほど面白いのか読んでみたくなった。

 

ひさしぶりにみたホリー・ハンターがとてもかわいい!

 

実はこの作品、『ピアノ・レッスン』と同じ年に公開されてたんだ…

『七人の侍』~世界のクロサワ。とっても長いのに、最後まで面白い!

あらすじ

“戦国時代の貧しい農村を舞台に、野盗と化した野武士に立ち向かうべく農民に雇われた侍たちの闘いを描いた作品。言わずと知れた黒澤明監督による日本映画を代表する傑作のひとつ。麦の刈入れが終わる頃。とある農村では野武士たちの襲来を前に恐怖におののいていた。百姓だけで闘っても勝ち目はないが、麦を盗られれば飢え死にしてしまう。百姓たちは野盗から村を守るため侍を雇うことを決断する。やがて、百姓たちは食べるのもままならない浪人たち7人を見つけ出し、彼らとともに野武士に対抗すべく立ち上がる……。”

出典元:allcinema

 

作品情報

監督:黒澤明

出演:三船敏郎

志村喬

公開:1954年

             

感じたこと

クロサワ作品は『羅生門』に続いて2作品目。

 

207分と長いからたっぷり時間があるときじゃないと…と思っていて、ようやく見ることができた。

 

話の流れは、この『七人の侍』をベースにした『荒野の七人』を以前見ていたので知っていた。

 

最初はセリフが聞き取りにくかったけれど、慣れてくると気にならなくなる。

 

三船敏郎が『羅生門』と似たキャラクターで、その大げさな動きも、見ているうちに自然に思えてくるから不思議。

 

これだけ長くてモノクロなのに最後まで飽きさせないってすごいな。

『48時間』~ニック・ノルティとエディ・マーフィのコンビが自然で面白い

解説

“野外労働中の囚人が、仲間の助けを得て脱走した。犯人に相棒を殺された刑事ジャックは、彼らとつながりのある、服役中の黒人レジーに捜査協力を求める。48時間の仮釈放という条件で、二人は凶悪犯の追跡に当たるが……。ストーリーその物よりも、ノルティ、マーフィの凸凹コンビによるやりとりが最高。本作で映画デビューを飾ったE・マーフィが作品世界から逸脱せず、上質のハードボイルド・アクションに仕上がっている。”

出典元:allcinema

 

作品情報

原題:48 Hrs.

監督:ウォーター・ヒル

出演:ニック・ノルティ

エディ・マーフィ

公開:1982年

             

感じたこと

 

エディ・マーフィの映画初出演作品。

 

その後の作品の彼のイメージからもっと弾けた役柄なのかと思っていたら、あの笑い方がでてくるようなものではなかった。

 

でもその分、ニック・ノルティとの絡み方が自然で、好感が持てる。

 

それにしても、米国映画って、飲酒運転のシーンが本当によく出てくる。

 

バーで飲んでたり、車の中でウィスキーを口にしたり。

 

気になって調べてみたけど、別に飲酒運転の法律の基準が特に緩いわけではないみたい。

 

日本も昔よりも厳罰化しているし、新しい映画を見ることが少ないからそう感じるのかなぁ。

『地獄の黙示録』~同じ国民の暗殺命令を受けるという戦争の狂気

 

 

解説

“ジャングル奥地に自分の王国を築いた、カーツ大佐の暗殺を命じられるウィラード大尉。道中、様々なベトナム戦争の惨状を目の当たりにしながら、ウィラードは4人の部下と共に哨戒艇で川を上っていく……。ジョセフ・コンラッドの『闇の奥』を基に、コッポラが私財をなげうってまで完成させた、ベトナム映画の集大成。狂気と混乱を象徴させる幾多のエピソードの果てに迎える観念的終幕には賛否もあろうが、この映像と音による一大スペクタクルには圧倒されずにはいられまい。困難を極めた映画製作の模様は名ドキュメンタリー「ハート・オブ・ダークネス/コッポラの黙示録」に詳しい。”

出典元:allcinema

 

作品情報

原題:Apocalypse Now

監督:フランシス・フォード・コッポラ

出演:マーロン・ブランド

ロバート・デュバル

マーティン・シーン

デニス・ホッパー

公開:1979年

             

感じたこと

 

先日、大岡昇平の『野火』を読んだのに続き、戦争もの。

 

ベトナム戦争を描いた映画はいくつか見てきたけれど、この作品は元米軍大佐の暗殺を命じられた主人公が奥地に向かうまでにベトコンと戦い、多くの人達が精神的にも壊れていく様子が描かれている。

 

残酷なシーンも多いし、目をそむけたくなるような場面も。

 

なぜ、戦争が起こるのだろう。

なぜ、人を殺さなければならないのだろう。

 

カンヌでパルム・ドールを獲得しているが、その作品としての評価は私にはわからない。

 

でも、戦争を美化しない作品が必要なのだと思う。