きすけろぐ

翻訳者きすけの頭のなか

『村上海賊の娘』和田竜 <新潮文庫の100冊> ~村上海賊の当主の娘、景の勇気ある合戦

新潮文庫の100冊読むぞシリーズ第27弾

 

『村上海賊の娘』

著者:和田竜

発行年:2016年

 

あらすじ

“時は戦国。乱世にその名を轟かせた海賊衆がいた。村上海賊――。瀬戸内海の島々に根を張り、強勢を誇る当主の村上 武吉。彼の剛勇と荒々しさを引き継いだのは、娘の景(きょう)だった。海賊働きに明け暮れ、地元では嫁の貰い手のない悍婦(かんぷ)で醜女。この姫が合戦 前夜の難波へ向かう時、物語の幕が開く――。”

出典元:新潮社

 

感じたこと

出版された当時にも読んでいたけれど、新潮文庫の100冊ということで、今回再読。

 

いつも歴史小説になかなか入り込めず途中で挫折することもあるくらいなのだけれど、この本は自分の頭の中に鮮やかな映像が流れ、話に夢中になることができた。

 

アクション映画もあまり好きではなくて、DVDで見ているとアクションシーンは早送りしたい衝動に駆られるのに、『村上海賊の娘』の合戦シーンはアクション映画よりも激しいアクションを思い浮かべてわくわくした。

 

彫が深く西洋人風の顔立ちとスタイルのために地元では醜女とされている景の、まっすぐな性格がとても魅力的に描かれている。

 

実際に映像化されてしまうと、きっとがっかりしてしまう気がするので、このまま、自分の中で想像を膨らませてその印象を大切にしたいと思う作品だった。