『あん』~自分の辛さを他人へのやさしさに変えることができる人
あらすじ
“縁あってどら焼き屋「どら春」の雇われ店長として単調な日々をこなしていた千太郎(永瀬正敏)。そのお店の常連である中学生のワカナ(内田伽羅)。ある日、その店の求人募集の貼り紙をみて、そこで働くことを懇願する一人の老女、徳江(樹木希林)が現れ、どらやきの粒あん作りを任せることに。徳江の作った粒あんはあまりに美味しく、みるみるうちに店は繁盛。しかし心ない噂が、彼らの運命を大きく変えていく…”
出典元:映画「あん」製作委員会
作品情報
監督:河瀬直美
出演:樹木希林
永瀬正敏
内田伽羅
公開:2015年
感じたこと
らい予防法が廃止されたのが1996年。
その時に、ハンセン病のために隔離されたり人権を奪われてきた人たちのことが多く報道され、その実態を知った。
千太郎やワカナが感じている生きづらさを、理不尽に人生を奪われてきた徳江さんが和らげてくれる。
河瀬直美監督の作品を見たのは初めて。
カンヌで評価されているので難解な作品というイメージがあったのだけれど、そんなこともなくて、穏やかに心に沁み込みながら話が進んでいく。
自分の辛い経験を人へのやさしさにできる人。
そんな徳江さんを本当に自然に演じる樹木希林の存在感はさすが。