きすけろぐ

翻訳者きすけの頭のなか

『檸檬』梶井基次郎 <新潮文庫の100冊> ~本棚に檸檬、という視覚的な美しさ

 

新潮文庫の100冊読むぞシリーズ第43弾

 

『檸檬』

著者:梶井基次郎

発行年:1967年

 

あらすじ

“31歳という若さで夭折した著者の残した作品は、昭和文学史上の奇蹟として、声価いよいよ高い。その異常な美しさに魅惑され、買い求めた一顆のレモンを洋書店の書棚に残して立ち去る『檸檬』、人間の苦悩を見つめて凄絶な『冬の日』、生きものの不思議を象徴化する『愛撫』ほか『城のある町にて』『闇の絵巻』など、特異な感覚と内面凝視で青春の不安、焦燥を浄化する作品20編を収録。”

出典元:新潮社

 

感じたこと

 

梶井基次郎、国語便覧などでもちろん名前はよく知っているけれど、実際に読んだのは(たぶん)初めて。教科書に載ってたかなぁ…

 

難解な文章だろうと身構えたが意外とすんなり入り込める。

 

短いこの話を読むと、短編映画を見ているような映像が浮かんでくる。

 

印刷物の香りのするくすんだ書店に鮮やかな黄色い檸檬。

 

文学としての良さはわからないけれど、読み終わった後に残る美しさがよかった。