きすけろぐ

翻訳者きすけの頭のなか

『白いしるし』西加奈子 <新潮文庫の100冊> ~自分の意思ではどうにもならない感情

 

新潮文庫の100冊読むぞシリーズ第41弾

 

『白いしるし』

著者:西加奈子

発行年:2013年

 

あらすじ

“女32歳、独身。誰かにのめりこんで傷つくことを恐れ、恋を遠ざけていた夏目。間島の絵を一目見た瞬間、心は波立ち、持っていかれてしまう。走り出した恋に夢中の夏目と裏腹に、けして彼女だけのものにならない間島。触れるたび、募る想いに痛みは増して、夏目は笑えなくなった──。恋の終わりを知ることは、人を強くしてくれるのだろうか? ひりつく記憶が身体を貫く、超全身恋愛小説。”

出典元:新潮社

 

感じたこと

 

西加奈子の描く、強い意志と感情を持つ人間が好き。

 

恋愛でも、生き方そのものでも。

 

この作品の主人公の夏目もそう。

 

抗えない気持ちのまま、間島に惹かれる夏目の姿も、瀬田との関係性も、読んでいて苦しくなるけれど、人間臭くて魅力的。

 

もちろん恋愛小説ではあるのだけれど、人がこころのままに生きる姿をえぐっている話だと思う。

 

やっぱり西加奈子の作品、好きだな。