『昨日がなければ明日もない』宮部みゆき ~安定の杉村三郎シリーズ
『昨日がなければ明日もない』
著者:宮部みゆき
発行年:2018年
あらすじ
“『希望荘』以来2年ぶりの杉村三郎シリーズ第5弾となります。中篇3本を収録する本書のテーマは、「杉村vs.〝ちょっと困った〟女たち」。自殺未遂をし消息を絶った主婦、訳ありの家庭の訳ありの新婦、自己中なシングルマザーを相手に、杉村が奮闘します。”
出典元:文藝春秋
感じたこと
宮部みゆきの作品では『英雄の書』とか『悲嘆の門』とかが好きなのだけど、他の物を読んでもぐいぐい引き込まれるし、さすがだなぁと思う。
杉村三郎が今回対応する3人の女性は、それぞれが問題を抱えている。
特に最後のシングルマザーの話は、自分には理解できない倫理観や基準を持っている人とかかわる話で、身近に経験したことはないけれど、現実にも起こりえる。
ひとつひとつが大事件なわけではなく、すっきり解決するわけでもないけれど、考え方の異なる人と関わりあいながら生きていく様子がきちんと描かれている。
時代小説、ファンタジー、ミステリーなど、ジャンルを超えて評価される作品を生み出し続けているって、すごいな。