『さざなみのよる』木皿泉 ~意外な構成にびっくりしながら引き込まれた
『さざなみのよる』
著者:木皿泉
発行年:2018年
あらすじ
“小国ナスミ、享年43。
宿り、去って、やがてまたやって来る――。
命のまばゆいきらめきを描いた、感動と祝福の物語。
「今はね、私がもどれる場所でありたいの。
誰かが、私にもどりたいって思ってくれるような、そんな人になりたいの」(9話より)
「やどったから、しゅくふくしてくれてるんだよ」
やどったって、何が?と光は心の中で聞いてみる。
「いのちだよ」(13話より)”
出典元:河出書房新社
感じたこと
最初に、ナスミが病院で亡くなっていくシーンが描かれる。
しかも一人称で。
それからナスミを取り巻くひとたちが一人称でそれぞれの物語を語っていく。
木皿泉を知ったのはテレビドラマの脚本家として。
『すいか』や『野ブタ。をプロデュース』、『セクシーボイスアンドロボ』、『Q10』。
どれも好きだった。
そして後から『やっぱり猫が好き』の脚本も手掛けていたと知って、うわ、これも大好きだった!とびっくり。
この作品も含め、どの作品も、大きな事件ではなくて普通のひとの(ロボットのような普通の人じゃない場合も)日常や心の動きがとても丁寧で、まとっている雰囲気がすごく好き。
また、小説も読みたいし、ドラマもみたいな。