『羅生門』~世界のクロサワ、なるほど…
あらすじ
“芥川龍之介の短編『藪の中』をもとに映像化。都にほど近い山中で、貴族の女性と供回りの侍が山賊に襲われた。そして侍は死亡、事件は検非違使によって吟味される事になった。だが山賊と貴族の女性の言い分は真っ向から対立する。検非違使は霊媒師の口寄せによって侍の霊を呼び出し証言を得るが、その言葉もまた、二人の言い分とは異なっていた……。ヴェネチア国際映画祭でグランプリを受賞した、黒澤明の出世作。”
出典元:allcinema
作品情報
監督:黒澤明
出演:三船敏郎
京マチ子
森雅之
志村喬
公開:1950年
感じたこと
芥川龍之介といえば、教科書で『蜘蛛の糸』や『鼻』を読んだけれど、この映画の原作となった『羅生門』や『藪の中』は読んだことがなかったので、今回、映画を見た後に読んでみた。
この原作からのこの解釈か…
原作というのはアイデアの欠片であって、この映画自体は、黒澤明の『羅生門』という作品なのだと感じる。
モノクロなのに、例えば女性の着物の柔らかい色合いが目に浮かぶし、野性味あふれる三船敏郎も生き生きしている。
海外でも評価された映画のテクニックとか専門的なことはわからないけれど、大げさに思える俳優の演技も見終わってみたら違和感がないというのは、きちんと映画の中で世界が成立しているからなんだろうな。