『西の魔女が死んだ』梨木香歩 <新潮文庫の100冊> ~題名だけで魔法使いの話だと思っていたら、日常に潜む人の心の温かさをにじませた話だった
新潮文庫の100冊読むぞシリーズ第38弾
『西の魔女が死んだ』
著者:梨木香歩
発行年:2008年
あらすじ
“中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも……。その後のまいの物語「渡りの一日」併録。”
出典元:新潮社
感じたこと
タイトルだけで、ずっと子供が読む魔女が出てくる話だと思っていた。
読み終わった今、逆にこのタイトル、すごい!と思う。
学校に行けなくなった時、受け入れてもらえる場所があれば、強くなれる。
「まい」にはそれが、西の魔女であるおばあちゃんだった。
なんでも自分で決めることが魔女の修行のひとつだと、道しるべを示してあげることで、「まい」は少しずつ変わっていく。
自分の価値観を持つ、芯を持つと、人は強くなれる。
愛情をもって見守る人の存在は大きい。
私の家族にとって、このおばあちゃんのような存在になれたらと、あこがれる。