『たんぽぽ団地のひみつ』重松清 <新潮文庫の100冊> ~ドラマの舞台になった団地の取り壊しにまつわる人々の不思議な体験
新潮文庫の100冊読むぞシリーズ第37弾
『たんぽぽ団地のひみつ』
著者:重松清
発行年:2018年
あらすじ
“取り壊しが決まった団地に暮らす祖父を訪ねた六年生の杏奈。そこはかつてドラマ『たんぽぽ団地のひみつ』のロケ地だった。夢の中で主演の少年、ワタルくんに出会ったことをきっかけに、杏奈と祖父、そして住民たちは、団地をめぐる時空を超えた冒険に巻き込まれて――。大人たちが生きた過去への憧憬と、未来へ向かう子どもたちへの祝福に満ちたミラクルストーリー。『たんぽぽ団地』改題。”
出典元:新潮社
感じたこと
描かれている団地の姿をかろうじてリアルに感じることができる世代の私には、星形のスターハウスも想像がつくし、映像が浮かんでくる。
重松清の作品は人の心の動きの描写が繊細。
子供たちのいじめの様子や親の葛藤も心に響く。
ただ、やっぱり登場人物がみんな「いい人」過ぎて、その辺はファンタジーの世界なんだと感じる。
話の内容にしても過去から人が現れたり、現実的ではないのだけれど、時にはそんな世界の想像を膨らませながら、ほんわかするのもいいよね。