きすけろぐ

翻訳者きすけの頭のなか

『青の数学』王城夕紀 <新潮文庫の100冊> ~数学に魅せられた若者たちの想い

 

新潮文庫の100冊読むぞシリーズ第32弾

 

『青の数学』

著者: 王城夕紀

発行年:2016年

 

あらすじ

“雪の日に出会った女子高生は、数学オリンピックを制した天才だった。その少女、京香凜(かなどめかりん)の問いに、栢山(かやま)は困惑する。「数学って、何?」――。若き数学者が集うネット上の決闘空間「E2」。全国トップ偕成高校の数学研究会「オイラー倶楽部」。ライバルと出会い、競う中で、栢山は香凜に対する答えを探す。ひたむきな想いを、身体に燻る熱を、数学へとぶつける少年少女たちを描く青春小説。”

出典元:新潮社

 

感じたこと

数学を扱った作品と言えば、まず『博士の愛した数式』が思い浮かぶ。

 

『博士の愛した数式』にでてくる数式は、なんだかあたたかくて、ゆるりとした印象を持っていたけれど、この作品ではまたちょっと違って、頭の回転がとても速い若者の熱量を数式に感じた。

 

数学が嫌いで数字を見ると思考停止するわたしにとって、学生時代に数学を「美しい」と称していた友人の気持ちはまったく分からなかった。

 

でも夢中になるものなんて本当に人それぞれで、この作品にでてくる若者たちのように、その夢中になるものを高校生で見つけることができて、それを追いかけていけるなんて幸せだと思う。

 

ライトノベルに近い読みやすさがあるので、普段あまり本を読まない高校生とかにもおすすめ。