『くちぶえ番長』重松清 <新潮文庫の100冊> ~小学4年生のクラスに転校してきたマコトとちょっと気の弱いツヨシの友情物語
新潮文庫の100冊読むぞシリーズ第28弾
『くちぶえ番長』
著者:重松清
発行年:2007年
あらすじ
“小学四年生のツヨシのクラスに、一輪車とくちぶえの上手な女の子、マコトがやってきた。転校早々「わたし、この学校の番長になる!」と宣言したマコトに、みんなはびっくり。でも、小さい頃にお父さんを亡くしたマコトは、誰よりも強く、優しく、友だち思いで、頼りになるやつだったんだ――。サイコーの相棒になったマコトとツヨシが駆けぬけた一年間の、決して忘れられない友情物語。”
出典元:新潮社
感じたこと
重松清の作品は、好きなのに、あまり読まない。
というのは、いまではどの作品だったかもはっきりとは覚えていないのだけれど(たぶん、『カシオペアの丘で』だったと思う)、登場人物のセリフや状況がリアルで、ものすごく感情移入してしまって、本当に胸が痛いくらいに苦しくなって、涙が出て、読むのがつらかったことがあって。
心に響きすぎるのが怖くて身構えすぎてあまり読まないというよくわからない対象になってしまっている重松清作品なのだけれど、こうした子供の友情をテーマにした作品だと、親目線で見ることができて、ほんわかできる。
小学校4年生という設定も、絶妙。
家ではまだ甘えるところもあるけれど、外では精いっぱい大人ぶりたくなる年齢。
大人と子供の間の、その混じり合う部分のブレがそれぞれの子供で大きく違ってくる学年だと思う。
自分が4年生の頃を思い浮かべて、懐かしい思いでいっぱいになった。