在宅での翻訳作業環境と実際の翻訳作業
翻訳作業に欠かせないのがパソコンとネット環境。
実際の仕事をする際は、守秘義務があり(翻訳会社の登録時に契約を交わす)、情報が洩れてはいけないので、自宅以外で作業をすることはない。
カフェで仕事なんてかっこいいなぁとは思うけれど、客先から提供されたものではない自分で集めた資料や参考文献となりそうな本を読むことは可能だが、実際の翻訳作業やチェックなどはできないので、仕事は自宅でのみ行う。
普段使っているのは、それほどスペックの高くないノートパソコン。
仕事が煮詰まった時には、リビングにパソコンを動かして環境を変えて、気分転換したりしている。
ネット環境は光回線なので、特に不満を感じることはない。
通常、仕事の依頼は登録した翻訳会社からメールで打診が来る。
翻訳会社によっては、パソコンと携帯の両方にメールを送信してきたり、直接電話でスケジュールを聞かれることもある。
平日に用事を済ませたり、趣味の時間を持ったり、自分でスケジュールを調整できるのが在宅で仕事をする最大のメリットだと考えているので、仕事をしていない時は家にいないことも多い。
しかし、新規案件の打診だけでなく、納品した翻訳に対しての質問が翻訳会社から届いて早めに返信しなければならないこともあるので、仕事関連のメールはすべて携帯メールに転送するようにしている。
作業の方法は人によってさまざまだと思うが、私は翻訳との最初のかかわりがオンサイトのチェッカーだったこともあり、必ず紙にプリントアウトして、赤ペンを持って作業を行う。
私の翻訳フローは、こんな感じ。
最初から最後まで、とりあえず下訳程度に訳出
納品形式がファイル上書きの場合は、一文ごとに訳しながら上書き。
上書きできない原稿の場合は、プリントアウトした原稿をみながらワードなどにベタ打ち。
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行間を広めにしてすべてプリントアウト
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原稿と突き合わせながら、紙ベースで文章を推敲。訳語がぶれないように、ひとつひとつ固めていく。
固有名詞の表記の調査や事実関係の裏取りもここで行う。
ある程度(数ページ分)まとまったら、ファイルに修正を転記。
これを最後まで繰り返す。
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通常の形式でプリントアウト
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今度は日本語だけで読みながら修正していく。内容を考え、流れが悪かったり、つじつまが合わないところは誤訳している可能性が高い。
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時間をおく。次の日まで時間があるのが理想だが、せめて数時間はあけたい。
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納品前に、もう一度頭から訳文を読み、最終チェック。
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納品
案件によっては、「とにかくなるはやで!」というものもあるし、「時間がないので翻訳会社内のチェックなしで客先に納品するのでコメントなどはいれずに訳文を作成してください」というものもあるし、ケースバイケース。
でも、最初の訳出が終わった後に、赤ペンを手に、コーヒーを飲みながら、適切な訳語をひねり出そうとああでもない、こうでもないと考えている時が幸せで、この時間が一番楽しい。
今後は、試行錯誤しながら、作業効率を上げていきたいと思っている。