きすけろぐ

翻訳者きすけの頭のなか

金融翻訳者が取っておくと役に立つ(と思われる)資格

 

翻訳を仕事にする上で、資格は特に必要はない。

 

しかし、原稿の背後にある知識がないと、誤訳やミスにつながる。

 

例えば金融関連の翻訳であれば、銀行や証券会社などの金融機関に務めた経験は貴重な「売り」になるが、業界での勤務経験がなくても、それを補うだけの知識を自分でつけることで、正確な翻訳を目指すことができる。

 

金融・経済分野を中心に受注している私が取って役に立った資格、役に立つと思われる資格をご紹介。

 

 

 

日本商工会議所が行っているおなじみの検定。金融・経済分野の翻訳のためだけではなく、企業の財務情報などを知るために必要な知識を得ることができる。

 

→書店で購入したテキストのみの完全独学で2級まで取得した。

 

 

証券会社などで金融証券取引業務を行うためには日本証券業協会のこの試験の合格が必要。「一種」と「二種」がある。細かな証券関係の協会規則や金融証券取引法などの知識が問われるが、金融機関で働く人が持っている基礎知識を得ることを目的として、勉強する価値はあると思う。

 

→遠い昔、新卒で勤めた会社で「二種」を取得した。当然ながら知識はほぼすべて抜けている。「一種」を受けたいと考え、テキストと問題集は購入済み。

 

英文簿記・国際会計理論について、英語で出題される。Subject1(英文簿記)とSubject2(国際会計理論)に分かれ、どちらか一方でも、両方受けることも可能。スコアに応じて、「ブックキーパーレベル」から「コントローラーレベル」まで称号が付与される。

実際の仕事の基礎の基礎として知っておくべき知識が問われる。

 

→日本で受験できるうえに、受験資格も問われないので、ぜひ受けようと思っているのだが、年2回の試験日が毎年、都合がつかず、いまだに未受験…来年こそはチャレンジ!

 

 

第1次レベル、第2次レベルの試験を受けるには証券アナリスト協会の通信講座を受けなければならない。

 

→費用や資格取得まで必要となる年数がネックであることに加え、数学や統計が苦手な私はどうしても拒否反応を起こしてしまうので、アナリスト資格を取ることは考えていない。しかし、金融・経済分野の翻訳者であれば第1次レベルの知識は知っておく必要があるので、テキストと問題集で勉強して理解しておくとよいと思う。

 

  • US CPA(米国公認会計士)

以前は米国でしか受験できなかったが、現在は日本のテストセンターで受験可能。大学での取得科目など、一定の受験資格を満たす必要がある。

 

→経済学部出身なので、受験資格は大丈夫だと思っていたが、大学の英文成績表を取り寄せて資格取得スクールに送付し確認してもらったところ、受験資格を得るには複数の単位を追加で取得する必要があるとのこと。日本のスクールでそれも取ることができるが、最終的にかかる費用を計算して検討したが、翻訳のための勉強がしたいのであってUS CPAになりたいわけではないので、断念。

試験内容は当然ながら、仕事に直結するものなので、テキストを購入しての独学の勉強のみ予定している。

 

 

名前の通り、貿易の実務に関する知識が問われ、A級、B級、C級に分かれている。

 

→以前、貿易関係の書類を翻訳することがあったが、貿易実務に関わったことがないので、ひとつひとつ書籍やインターネットで確認しながらの作業となり時間がかかった。その時に、貿易関係の知識を持っているに越したことはないと感じた。

レベルなど、まだ把握していない部分もあるので、1年以内には受験して、感想を含め、今後紹介していきたいと思う。