きすけろぐ

翻訳者きすけの頭のなか

『危険なビーナス』東野圭吾 ~設定に無理があるような気がしても、それでもいつものように一気読みしてしまう、さすがな東野圭吾作品

 

あらすじ

“弟が失踪した。彼の妻・楓は、明るくしたたかで魅力的な女性だった。楓は夫の失踪の原因を探るため、資産家である弟の家族に近づく。兄である伯朗は楓に頼まれ協力するが、時が経てば経つほど、彼女に惹かれていく。”

出典元:講談社

 

 

 

 

感じたこと

東野圭吾作品はこれまでにも多数読んでいる。

 

どの作品も夢中になって一気読みしてしまうのだけれど、わたしにとって東野圭吾作品はじっくり味わうというよりは、その夢中になってページをめくってしまう感覚を楽しむ感じ(『手紙』とか『百夜行』、『流星の絆』とかはまたちょっと違ったけど)。

 

今回の作品もそう。

 

登場人物の設定にちょっと無理があるのではとか、伏線がわかりやすすぎるんじゃないかとか、読み終わってしまえば気になる所はいくつもあるけれど、それでも、読み終わるまでは他のことをしたくなくて、読み終わった後に「一気読みした!すっきり!」と思えるのはさすが。

 

サヴァン症候群が話の鍵のひとつに使われている。

 

わたしがサヴァン症候群を知ったのは、映画『レインマン』。

ばらまかれた爪楊枝が何本あるかを瞬時に把握するあの有名なシーンは、今でも強く印象に残っている。

 

その後、様々な小説や映画、ドラマでサヴァン症候群が描かれていたが、最近では『ぼくには数字が風景に見える』の内容が興味深かった。

 

 

まったく本筋とは関係ないのだけれど、主人公の伯朗の職業が獣医で、ミニブタの話が出てくる。

 

ミニブタと言えば、昔、子豚が主人公の『ベイブ』という映画があった。

 

あの子豚のキュートなビジュアルが印象的で、ミニブタは実はきれい好きで飼育しやすいと話題になることも多く、ペットにしたら可愛いだろうなぁと思っていたのだけれど、本文にでてくるように、実際には成長すると体重が50キロから大きいものでは100キロに達することもあるらしい。

 

自分の勝手に抱いていたイメージとのギャップにびっくりしてしまった…