きすけろぐ

翻訳者きすけの頭のなか

翻訳の仕事の見つけ方

 

翻訳の勉強を続けて、自分の家庭の環境も整って、最初に翻訳の仕事を見つけようと思った時に、求人情報の「翻訳実務経験3年以上」という条件が立ちはだかった。

 

「経験はないけれど、こんなに実力はあります!」と自分を売り込めるほどの英語力もなく、どうしようかと思っていたが、「翻訳者」にこだわるのではなく、そのステップとして「翻訳チェッカー」に目を向けた。

 

チェッカーとは、翻訳者から納品された訳文の解釈が正しいか、訳語にぶれはないか、数字や記号の間違いはないか、固有名詞の場合は正式名称が使われているかなど、細かく確認する仕事。

 

わたしが最初の仕事を見つけたのは、翻訳者ネットワーク「アメリア」 から。

 

翻訳の勉強中、翻訳についての情報が欲しくて、アメリアに入会していた。

ここは、入会金5,400円、年会費16,200円の有料会員制サービス(2018年10月現在)。

 

翻訳に関連する様々な情報が入手できるし、「定例トライアル」というイベントがあって、分野別に開催されるこのトライアルに応募し(有料)、評価されれば、アメリア内で「仕事として通用するレベル」という認定を得ることができる。

 

そして、会員向けに翻訳の求人情報が掲載されているのが、一番の魅力。

ここに掲載されていたオンサイトのチェッカー求人情報への応募が、翻訳を仕事にするきっかけとなった。

 

2~3年は会員となっていたが、その後、複数の会社に登録するようになってからは、欲しい情報と年会費のバランスを考え、退会した。

 

退会してからもう10年近くたっているので、現在の会員サービスなどの充実度は変わっているかもしれないが、入会して、得られる情報をきっちり入手して、可能な限りイベントに参加するなどすれば、年会費のもとは十分に取れると思う。

 

 

新たな取引先やプロジェクト単位の仕事を見つけたいときにいまも利用するのは、翻訳者ディレクトリの翻訳者募集情報。

 

ここの翻訳者募集情報の閲覧ページには、通年の登録翻訳者の募集よりも、実際にその時に必要とされている翻訳者募集情報が掲載されていることが多い。

その分、採用につながった場合には、すぐに仕事を受注する可能性が高い。

 

在宅だけでなく、派遣や正社員、アルバイトなど、勤務形態も様々。

また、通訳やコーディネーターの求人も掲載されている。

 

募集している翻訳会社は日本だけでなく中国や欧米の会社などもあり、会社の規模や実績、取り扱い分野も多岐にわたっているので、ビジネスとして当然ではあるけれど、応募する会社の信用性や取引条件などは、自分でしっかり調べて判断する必要があるだろう。

 

また、インターネットで翻訳会社を検索すると、たくさんの翻訳会社がみつかり、その会社の登録翻訳者募集ページから応募することも可能。

 

ただし、この場合はトライアルを経て登録に至っても、翻訳会社が新人登録翻訳者の様子見として発注してみようと思うだけの納期の余裕があり、かつ自分の専門分野である案件がすぐに来る可能性は低く、登録から実際の仕事に結びつくまでには時間がかかると覚悟しておいた方がいいだろう。

 

1社に断られたからと言って全否定されたと思い込む必要はまったくないし、いくつか挑戦してみるべきだと思う。

 

だが、何社も応募したのにトライアルを突破できないという場合は、いったん落ちついて、自分の英語力、専門知識がスタートラインに立つには足りていないのかも、と考えてみるのも良いのでは。