きすけろぐ

翻訳者きすけの頭のなか

読書

『砂の女』安部公房 <新潮文庫の100冊> ~昆虫採集に行った先で泊めてもらった民家は砂穴の底にあった

新潮文庫の100冊読むぞシリーズ第25弾 『砂の女』 著者:安部公房 発行年:1981年 砂の女 改版 posted with ヨメレバ 安部公房 新潮社 2003年03月 楽天ブックス Amazon あらすじ “砂丘へ昆虫採集に出かけた男が、砂穴の底に埋もれていく一軒家に閉じ込められ…

『楽園のカンヴァス』原田マハ <新潮文庫の100冊> ~アンリ・ルソーの絵画を巡る謎

新潮文庫の100冊読むぞシリーズ第24弾 『楽園のカンヴァス』 著者:原田マハ 発行年:2014年 楽園のカンヴァス posted with ヨメレバ 原田マハ 新潮社 2014年06月27日 楽天ブックス Amazon あらすじ “ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウ…

『異邦人』カミュ <新潮文庫の100冊> ~「きょう、ママンが死んだ。」で始まるノーベル賞作家の作品

新潮文庫の100冊読むぞシリーズ第23弾 『異邦人』 著者:カミュ 発行年:1963年 異邦人 改版/新潮社/アルベ-ル・カミュ posted with カエレバ Amazon あらすじ “母の死の翌日海水浴に行き、女と関係を結び、映画をみて笑いころげ、友人の女出入りに関係して…

『オリジン』ダン・ブラウン ~おなじみラングドン教授シリーズ

『オリジン』 著者:ダン・ブラウン 発行年:2018年 オリジン 上 posted with ヨメレバ ダン・ブラウン/越前 敏弥 KADOKAWA 2018年02月28日 楽天ブックス Amazon あらすじ “ラングドンとともに逃げるアンブラは、スペイン王太子フリアンの婚約者だが、カーシ…

『あのひとは蜘蛛を潰せない』彩瀬まる <新潮文庫の100冊> ~自分に自信がもてない女性が、少しずつ変化していく姿が心につまる

新潮文庫の100冊読むぞシリーズ第22弾 『あのひとは蜘蛛を潰せない』 著者:彩瀬まる 発行年:2015年 あのひとは蜘蛛を潰せない posted with ヨメレバ 彩瀬まる 新潮社 2015年08月28日 楽天ブックス Amazon あらすじ “ドラッグストア店長の梨枝は、28歳にな…

『博士の愛した数式』小川洋子 <新潮文庫の100冊> ~80分しか記憶がもたない博士と家政婦、息子の心の結びつき

新潮文庫の100冊読むぞシリーズ第21弾 『博士の愛した数式』 著者:小川洋子 発行年:2005年 博士の愛した数式 posted with ヨメレバ 小川洋子(小説家) 新潮社 2005年12月 楽天ブックス Amazon あらすじ “[ぼくの記憶は80分しかもたない]博士の背広の袖…

『変身』フランツ・カフカ <新潮文庫の100冊> ~朝、目を覚ますと自分が巨大な虫になっていたら…

新潮文庫の100冊読むぞシリーズ第20弾 『変身』 著者:フランツ・カフカ 発行年:1915年 あらすじ “ある朝、気がかりな夢から目をさますと、自分が一匹の巨大な虫に変わっているのを発見する男グレーゴル・ザムザ。なぜ、こんな異常な事態になってしまったの…

『盗賊会社』星新一 <新潮文庫の100冊> ~星新一のアイデアの豊富さに改めて脱帽

新潮文庫の100冊読むぞシリーズ第19弾 『盗賊会社』 著者:星新一 発行年:1985年 あらすじ “私は盗賊株式会社の社員。泥棒ごっこのオモチャの製造販売の会社ではない。れっきとした、泥棒を営業とする会社だ。そんな仕事があったのかと内心うらやましがる人…

『残るは食欲』阿川佐和子 <新潮文庫の100冊> ~食べることが大好きな人は激しく共感できるエッセイ集

新潮文庫の100冊読むぞシリーズ第18弾 『残るは食欲』 著者:阿川佐和子 発行年:2013年 あらすじ “幼い頃から食べることが好きだった。母手作りの素朴な家庭料理を、家族で囲んだ温かな食卓──。大人になった今は一人で作って一人で食べて「私は天才かっ」と…

『約束の海』山崎豊子 <新潮文庫の100冊> ~山崎豊子の遺作となった未完の作品

新潮文庫の100冊読むぞシリーズ第17弾 『約束の海』 著者:山崎豊子 発行年:2016年 約束の海 (新潮文庫) posted with ヨメレバ 山崎 豊子 新潮社 2016-07-28 Amazon 楽天ブックス あらすじ “海上自衛隊の潜水艦「くにしお」と釣り船が衝突、多数の犠牲者が…

『とにかくうちに帰ります』津村記久子 <新潮文庫の100冊> ~わかるわかるとニヤリとしながら読み、そしてほっこり。

新潮文庫の100冊読むぞシリーズ第16弾 『とにかくうちに帰ります』 著者:津村記久子 発行年:2012年 あらすじ “うちに帰りたい。切ないぐらいに、恋をするように、うちに帰りたい――。職場のおじさんに文房具を返してもらえない時。微妙な成績のフィギュアス…

『遠くの声に耳を澄ませて』宮下奈津 <新潮文庫の100冊> ~それぞれの日常にあるそれぞれに特別な思いを紡ぐ短編集

新潮文庫の100冊読むぞシリーズ第15弾 『遠くの声に耳を澄ませて』 著者:宮下奈津 発行年:2009年 あらすじ “瑞々しい感性と肌理細やかな心理描写で注目される著者が紡ぎ出す、ポジティブな気持ちになれる物語。看護師、会社員、母親。その淡々とした日常に…

『何者』 朝井リョウ <新潮文庫の100冊> ~就活生のリアルな感情のゆらめきが描かれ、読んでいて苦しさを感じる作品

新潮文庫の100冊読むぞシリーズ第14弾 『何者』 著者:朝井リョウ 発行年:2012年 あらすじ “就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたから――。瑞月の留学仲間・理香が拓人たちと同じア…

『彼女は頭が悪いから』姫野カオルコ ~東大生による強制わいせつ事件をベースにしたフィクション

『彼女は頭が悪いから』 著者:姫野カオルコ 発行年:2018年 あらすじ “私は東大生の将来をダメにした勘違い女なの? 深夜のマンションで起こった東大生5人による強制わいせつ事件。非難されたのはなぜか被害者の女子大生だった。 現実に起こった事件に着想…

『しゃぼん玉』乃南アサ <新潮文庫の100冊> ~通り魔を繰り返していた若者がたどり着いた村で感じた人とのつながり

新潮文庫の100冊読むぞシリーズ第13弾 『しゃぼん玉』 著者:乃南アサ 発行年:2004年 あらすじ “女性や老人だけを狙った通り魔や強盗傷害を繰り返し、自暴自棄な逃避行を続けていた伊豆見翔人は、宮崎県の山深い村で、老婆と出会った。翔人を彼女の孫と勘違…

『ペインレス』天童荒太 ~人間にとって痛みとはどのような意味を持つのか。

『ペインレス』 著者:天童荒太 発行年:2018年 あらすじ “身体の痛みを喪った青年は、その麻酔科女医にとって舌なめずりするような実験材料だった。他者への共感を生来持てなかった彼女は、快楽の在処を確かめるようなセックスの果てに何を企てようというの…

『じっと手を見る』窪美澄 ~恋愛だけではなく、若者の「生きることのもどかしさ」がにじみ出る作品

『じっと手を見る』 著者:窪美澄 発行年:2018年 あらすじ “大切な人を、帰るべき場所を、私たちはいつも見失う――。読むほどに打ちのめされる! 忘れられない恋愛小説 富士山を望む町で介護士として働く日奈と海斗。老人の世話をし、ショッピングモールだけ…

『未来』湊かなえ ~大好きなパパを亡くし、「人形」になってしまうママと暮らす章子のもとに、未来の自分からの手紙が届く

『未来』 著者:湊かなえ 発行年:2018年 あらすじ “大好きなパパを病気で亡くし、たまに感情表現を失い人形のようになってしまうママと一緒に暮らす小学生の章子(あきこ)のもとに一通の手紙が届く。〈一〇才の章子へ〉で始まるその手紙の送り主は、20年…

『きみはポラリス』三浦しをん <新潮文庫の100冊> ~いろいろな恋愛のかたちを集めた短編集

新潮文庫の100冊読むぞシリーズ第12弾 『きみはポラリス』 著者:三浦しをん 発行年:2007年 あらすじ “どうして恋に落ちたとき、人はそれを恋だと分かるのだろう。三角関係、同性愛、片想い、禁断の愛……言葉でいくら定義しても、この地球上にどれひとつとし…

『学びを結果に変える アウトプット大全』樺沢紫苑 ~今の自分に足りないものが身にしみてわかる、成長を促すきっかけを与える本。

『アウトプット大全』 著者:樺沢紫苑 発行年:2018年 内容 “日本一アウトプットしている医師である、ベストセラー作家・樺沢紫苑が圧倒的に結果が変わる「アウトプット術」を大公開。 ■アウトプットとは? アウトプットの定義 ■アウトプットの基本法則 ■ア…

『太陽の塔』森見登美彦 <新潮文庫の100冊> ~ふられた恋人を追いかける京大生の青春。

新潮文庫の100冊読むぞシリーズ第11弾 『太陽の塔』 著者:森見登美彦 発行年:2003年 あらすじ “私の大学生活には華がない。特に女性とは絶望的に縁がない。三回生の時、水尾さんという恋人ができた。毎日が愉快だった。しかし水尾さんはあろうことか、この…

『フォルトゥナの瞳』百田尚樹 <新潮文庫の100冊 2018> ~死が近づいている人が透明に見える。大事な人の死が近いと知った時、何ができるだろう。

新潮文庫の100冊読むぞシリーズ第10弾 『フォルトゥナの瞳』 著者:百田尚樹 発行年:2014年 あらすじ “幼い頃に家族を火事で失い天涯孤独の身となった木山慎一郎は友人も恋人もなく、自動車塗装(コーティング)工として黙々と働くだけの日々を送っていた。…

『地球星人』村田沙耶香 ~魔法少女である私の生きている世界は人間工場なのか。

『地球星人』 著者:村田沙耶香 発行年:2018年 あらすじ “地球では「恋愛」がどんなに素晴らしいか、若い女はセックスをしてその末に人間を生産することがどんなに素敵なことか、力をこめて宣伝している。地球星人が繁殖するためにこの仕組みを作りあげたの…

『土の中の子供』中村文則 <新潮文庫の100冊 2018> ~親から虐待された過去を持つ27歳のタクシードライバーの心の記憶

新潮文庫の100冊読むぞシリーズ第9弾 『土の中の子供』 著者:中村文則 発行年:2005年 あらすじ “27歳のタクシードライバーをいまも脅かすのは、親に捨てられ、孤児として日常的に虐待された日々の記憶。理不尽に引きこまれる被虐体験に、生との健全な距離…

『ファーストラヴ』島本理生 ~親子のつながり。家族のつながり。他人ではないからこそ複雑で深刻な関係。

『ファーストラヴ』 著者:島本理生 発行年:2018年 あらすじ “夏の日の夕方、多摩川沿いを血まみれで歩いていた女子大生・聖山環菜が逮捕された。彼女は父親の勤務先である美術学校に立ち寄り、あらかじめ購入していた包丁で父親を刺殺した。環菜は就職活動…

『悟浄出立』万城目学 <新潮文庫の100冊 2018> ~西遊記を悟浄の視点で語る表題作など、中国古典をベースにした短編集。

新潮文庫の100冊読むぞシリーズ第8弾 『悟浄出立』 著者:万城目学 発行年:2014年 あらすじ “おまえを主人公にしてやろうか! これこそ、万城目学がずっと描きたかった物語――。勇猛な悟空や向こう見ずの八戒の陰に隠れ、力なき傍観者となり果てた身を恥じる…

『豆の上で眠る』湊かなえ <新潮文庫の100冊 2018> ~子供の頃に失踪した姉と読んでいたアンデルセン童話。帰ってきた姉は本当に万佑子ちゃんなのだろうか…

新潮文庫の100冊読むぞシリーズ第7弾 『豆の上で眠る』 著者:湊かなえ 発行年:2014年 あらすじ “小学校一年生の時、結衣子(ゆいこ)の二歳上の姉・万佑子(まゆこ)が失踪した。スーパーに残された帽子、不審な白い車の目撃証言、そして変質者の噂。必死…

『陽だまりの彼女』越谷オサム <新潮文庫の100冊 2018> ~中学の時の初恋の相手との10年ぶりの出会い。好きな人と一緒にいたいという単純な気持ちの大切さが心に染みる物語。

新潮文庫の100冊読むぞシリーズ第6弾 『陽だまりの彼女』 著者:越谷オサム 発行年:2008年 あらすじ “幼馴染みと十年ぶりに再会した僕。かつて「学年有数のバカ」と呼ばれ冴えないイジメられっ子だった彼女は、モテ系の出来る女へと驚異の大変身を遂げてい…

『イノセント・デイズ』早見和真 <新潮文庫の100冊 2018> ~死刑囚となった幸乃は本当に罪を犯していたのか。判決文とともに明かされていく事件の真相とは。

新潮文庫の100冊読むぞシリーズ第5弾 『イノセント・デイズ』 著者:早見和真 発行年:2014年 あらすじ “殺されたのは三人だった。幸乃の元恋人だった男の妻とまだ一歳の双子の姉妹。なぜあの夜、火は放たれたのか? たったひとり幸乃の無実を信じ、最後まで…

『最後の証人』柚月裕子 ~元検察官の佐方は被告が無罪を主張する裁判の弁護を引き受ける。その裁判の証人によって明かされる真実とは。

『最後の証人』 著者:柚月裕子 発行年:2010年 あらすじ “検事を辞して弁護士に転身した佐方貞人のもとに殺人事件の弁護依頼が舞い込む。ホテルの密室で男女の痴情のもつれが引き起こした刺殺事件。現場の状況証拠などから被告人は有罪が濃厚とされていた。…