きすけろぐ

翻訳者きすけの頭のなか

『王になろうとした男』~現実味がない話だけど、冒険物語としては面白かった

あらすじ

“秘境カフィリスタンに富を求めて旅立った二人の男、ドレイポットとカーニハン。彼らはヒマラヤを越え、未開の部族に英国式の軍事訓練を施した。その軍隊を使って、彼らはカフィリスタンを次々と平らげていく。そして、ドレイポットの胸にかけられたメダルを部族の長が認めたとき、彼らは神としてあがめられることになる……。ノーベル賞作家キプリングの原作を名匠J・ヒューストンが映画化したダイナミックで奇妙な冒険映画。”

出典元:allcinema

 

作品情報

原題:The Man Who Would Be King

監督:ジョン・ヒューストン

出演:ショーン・コネリー

マイケル・ケイン

公開:1975年

 

感じたこと

 

まったく予備知識なしにみたら、しばらくは話がどう展開するのか人物のつながりがどうなっているのかが全然見通せず、最後までちゃんと見られるか不安になった。

 

二人がなぜヒマラヤの奥地まで行って王になろうとしたのか。

単に財宝のためだったのか。

それならそんな遠くまで行かなくてもいいのでは。

こんな感じで雪山は越えられないだろう…

など、見ていていろんな疑問点がでてきたけれど、深く考えずに二人が冒険していく話だと思えばいいのかと途中で考えた。

 

ショーン・コネリーが神であるふりをして財宝を得ようとしていたのに、いつのまにか自分が本当に力を持っているかのように勘違いしてしまうという点で人間の傲慢さを描きたかったのかなぁ。

 

いつものことながら、ショーン・コネリーはかっこいい。

『エド・ウッド』~モノクロのティム・バートン作品だけど…

 

あらすじ

“実在の映画監督で、“史上最低の監督”と謳われた、エドワード・D・ウッド・ジュニア--通称エド・ウッドの伝記的作品。50年代のハリウッド。スタジオの片隅で使い走りをしながら、映画監督になる日を夢見て働いていた映画青年エドは、ある日業界誌に載った性転換をした男性の物語の映画化を知り、本物の服装倒錯者だったエドは、シナリオを3日間で書き上げ、ふとしたきっかけで知り合った往年のドラキュラ俳優、ベラ・ルゴシの出演を条件に資金を得て、監督デビューを飾るが……。”

出典元:allcinema

 

作品情報

原題:Ed Wood

監督:ティム・バートン

出演:ジョニー・デップ

マーティン・ランドー

サラ・ジェシカ・パーカー

パトリシア・アークエット

公開:1994年

 

感じたこと

 

実在した映画監督エド・ウッドのファンであるティム・バートンが彼を描いた作品。

 

ジョニー・デップとティム・バートンのいつもの組み合わせ。

 

大きな事件が起こるわけでもない。

 

ちょっと変わったキャラクターのエド・ウッドがまわりから評価されない映画を作り続けるのだけれど、どんなに駄作といわれようと、結局お金を集めることができているのだから、それはそれで才能だと思う。

 

面白かったかと問われれば、うーん…となる感じ。

 

ティム・バートン作品では『シザーハンズ』が一番好き。

 

 

『ワールド・ウォーZ』~ストーリーはさておき、ものすごい迫力で、それだけでも見る価値はある

解説

“ベストセラーを記録した、マックス・ブルックスの小説を実写化したパニック大作。人間を凶暴化させる未知のウイルスの感染原因を解き明かそうと、感染者と非感染者の死闘が繰り広げられる世界各地を駆ける元国連捜査官の姿を、息詰まるタッチで活写する。ハリウッドスターのブラッド・ピットが主人公にふんし、製作も兼任。監督は『007/慰めの報酬』などのマーク・フォースター。無数の感染者が群がって生じた巨大人柱が防壁を越えようとするなど、圧倒的映像の数々に息をのむ。”

出典元:シネマトゥデイ

 

作品情報

原題:World War Z

監督:マーク・フォースター

出演:ブラッド・ピット

ミレイユ・イーノス

公開:2013年

 

感じたこと

 

予備知識ゼロでみたけれど、最初から迫力がすごい。

 

びくっとする場面が何度もあって、ドキドキしながら最後まで見ることができた。

 

そもそもの設定だったり危機から逃れる場面にはおいおいとつっこみたくなる部分がかなりあったけれど、特に頭を使わずに2時間、作品に夢中になれたので、それだけで十分だと思う。

 

もっと人間関係や背景などを丁寧に描いて深みを持たせると、迫力のあるシーンが減っていくのだろうし、これはこれでOKじゃないかな。

『生きる』~主人公がブランコで歌を歌う有名なシーンに、いろいろなことを考えさせられた

 

あらすじ

“市役所の市民課長・渡辺は30年間無欠勤、事なかれ主義の模範的役人。ある日、渡辺は自分が胃癌で余命幾ばくもないと知る。絶望に陥った渡辺は、歓楽街をさまよい飲み慣れない酒を飲む。自分の人生とは一体何だったのか……。渡辺は人間が本当に生きるということの意味を考え始め、そして、初めて真剣に役所の申請書類に目を通す。そこで彼の目に留まったのが市民から出されていた下水溜まりの埋め立てと小公園建設に関する陳情書だった。”

出典元:映画.com

 

作品情報

監督:黒澤明

出演:志村喬

小田切みき

金子信雄

公開:1952年

 

感じたこと

 

これまで見たクロサワ作品(『羅生門』、『七人の侍』)とは全く違うテイスト。

 

ガンであることを知った主人公が死に至るまでの間に人生を振り返り、自分のできることは何かを考える。

 

胃ガンと診断されれば死を覚悟しなければならず、病気の告知もされなかった時代。

 

でも自分の死が近いとわかったら、自分は何ができるだろう。

 

それまで真面目一辺倒だったのに、突然飲み歩いたり、生命力にあふれた若い女性と一緒にいようとしたり。

 

特に同じ職場の若い事務員と出かけたりするのは、色ボケと思われても仕方がない状況だろう。

 

でも死が近づく中でもがくことで、残された短い時間に自分ができることを探し出していく。

 

見ている最中や見終わった直後よりも時間がたってからの方が、自分だったらどうするのか、死が迫った時にそれまでの自分の人生をどう思うのか、精いっぱい生きているのか…そんなことをいろいろ考えてしまう。

 

モノクロの画面も途中で全く気にならなくなる。

 

自分はちゃんと「生きている」のかを問いながら、毎日を過ごしていきたいと改めて感じた。

『リバー・ランズ・スルー・イット』~美しい自然の中で描かれた家族のつながり

 

あらすじ

“まじめな兄ノーマンと、自由闊達な弟ポールは、対照的な兄弟であったが、フライ・フィッシングにだけは共通の想いがあった……。「普通の人々」のR・レッドフォードが「ミラグロ/奇跡の地」に続き三度目の監督を手掛けた作品。1912年のモンタナ州の田舎町ミズーラを舞台に、牧師の父を持つ二人の兄弟の確執と絆を、優雅なスタイルを持つフライ・フィッシングを通して描く。”

出典元:allcinema

 

作品情報

原題:A River Runs Through It

監督:ロバート・レッドフォード

出演:クレイグ・シェイファー

ブラッド・ピット

トム・スケリット

ブレンダ・ブレッシン

公開:1992年

 

感じたこと

 

この映画が上映されていた頃、フライ・フィッシングのカッコよさに憧れた。

 

子供と一緒に海でサビキ釣りをして面白いと思ったけれど、フライ・フィッシングはまた異なるものだと、この映画を見て改めて感じた。

 

兄弟って、友達だったり、ライバルだったり。

 

近い存在だからこそ、難しい関係だったりする。

 

大人になって父と息子二人で釣りに行き、そこで楽しそうにいろいろな話をしている姿に憧れる。

 

ブラッド・ピットの佇まいが、若いころのロバート・レッドフォードに重なる。

自由なのに繊細、そして頑固。

かっこよすぎる…

 

『あの頃ペニー・レインと』~いいな、青春。

 

あらすじ

“「セイ・エニシング」「ザ・エージェント」のキャメロン・クロウ監督が自身の体験を基に、ブレイク寸前のロックバンドのツアーの同行取材を任された15歳の少年の姿を描いた青春音楽ムービー。少年が恋するグルーピーの少女を演じるのはゴールディー・ホーンの娘ケイト・ハドソン。15歳の少年ウィリアムは伝説的なロック・ライターに自分の記事が気に入られ、ローリングストーン誌の仕事をもらう。さっそく取材で楽屋を訪れた彼は、グルーピーの中にいたペニー・レインに一目惚れする。”

出典元:allcinema

 

作品情報

原題:Almost Famous

監督:キャメロン・クロウ

出演:パトリック・フュジット

ビリー・クラダップ

ケイト・ハドソン

公開:2000年

             

感じたこと

 

青春ムービー、面白かった!

 

有名な俳優が出ているわけじゃなくて、知っていたのは母親役のフランシス・マクドーマンドとレスター役のフィリップ・シーモア・ホフマンくらい。

 

でも、この二人が作品をすごく作品を引き締めているように思う。

 

厳しく育てられたことによる反抗だったり、人生を変えるほどの音楽の中毒性だったり、スターへのあこがれだったり、人を愛する気持ちだったり。

 

私が一番音楽を聴いていたのは中学や高校の時。

 

誰もが若いときに感じた思いが詰まっている。

 

どうしても母親のキャラクターを冷静に見れない私。

 

ある面では毒親と思えるほどに、良かれと思って自分の考え押し付けてしまう。

 

でも、こどもを大事に思う気持ちが根本にあるのもわかるし、母親の行き過ぎた行動は見ていて切なくなるなぁ…

 

『火のないところに煙は』芦沢央 ~ホラーはそんなに好きじゃないけど…

 

『火のないところに煙は』

著者:芦沢央

発行年:2018年

 

あらすじ

“「神楽坂を舞台に怪談を書きませんか」。突然の依頼に、かつての凄惨な体験が作家の脳裏に浮かぶ。解けない謎、救えなかった友人、そこから逃げ出した自分。作家は、事件を小説にすることで解決を目論むが――。驚愕の展開とどんでん返しの波状攻撃、そして導かれる最恐の真実。読み始めたら引き返せない、戦慄の暗黒ミステリ!”

出典元:新潮社

 

感じたこと

 

ホラー映画もホラー小説も、あまり好きじゃない。

 

この作品は、ホラーというよりもミステリなのかと思って読んでみたら、ホラー要素が強かった…

 

文章が読みやすかったので、意外とすんなり作品の世界には飛び込める。

 

でも、読んで楽しかったとは思わないし、読んだ時間が充実していたとも感じなかった。